水星逆行~その意味と過ごし方ガイド
「新月」や「サターンリターン」といった言葉とともに、「水星逆行」は、一般の人々の間に比較的流布している占星術用語のひとつですね。
コミュニケーションの星・水星は約四か月に一度、逆行し、約三週間後に順行に戻ります。
水星は、「ふたつの物事や人の間をつなぐ」伝達の役割をする星です。
水星が司るコミュニケーションは、自分と相手(ふたりの人)をつなぎ、意思を伝え合うための言葉のやりとりです。
また、二つの地点を移動するための交通や運輸、あるいは、頭脳の命令を体の各部位に伝えるための神経組織なども、水星が司ります。
惑星が逆行すると、その惑星に関する意識が内向しやすく、外の世界で、その惑星に関することが円滑に表現されにくくなるといわれます。(外の世界というのは、自分という存在から見ての外の世界です。)
そのため、水星が逆行すると、水星が司る事柄で混乱が生じやすく、他の人とのコミュニケーションで行き違い・勘違いが生じたり、文書や情報を扱うことでミスが生じたりしやすく、また、交通機関での混乱が起きやすいとき...となるのです。
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水星は通常、深く意識されることなく、反射的かつ半自動的に働いています。
たとえば、神経組織は、脳の指令に沿って反射的に体の部位を動かすので、「右手を動かそう」と意識しながら動かすわけではありませんし、電車やバスも、複雑な情報を組み込んだダイヤルに従って円滑に運行されています。
仕事のルーチンワーク、日常的な家事、メールやSNSといった言葉や文書を使うやりとりなどでも、複数の情報を半自動的に処理しながら、スピーディーに行うことができるのは、水星の働きがあるからです。
ところが、水星が逆行すると、意識が内側に向き、外の世界で水星の機能がスムーズに働きにくくなるので、日頃意識されることもなく自然に行われている、コミュニケーションや文書のやりとり、交通などで不調が生じやすくなります。
人によって現れ方はそれぞれだと思いますが、情報をやりとりしたり扱ったりするときのミスや、人とのやりとりで互いのちょっとした勘違いが重なってわけのわからない行き違いが生じたり、急に相手から連絡がこなくなったり、話が弾まない雰囲気が漂ったり、交通トラブル(遅延)に巻き込まれたり、情報機器が不調になったり。。
水星の逆行期間は、コミュニケーション、文書処理作業、交通などの不調期ではありますが、水星に関する「メンテナンス」の期間と考えると、今後の自分に役立つ期間として、建設的に過ごすことができるでしょう。
たとえば、日常、移動の手段として利用している車(←水星的です)をメンテナンスに出せば、日々の移動に関して、一時的に不便になります。
けれども、いったん完全にエンジンを休め、日頃は見過ごしていた気になる箇所を丁寧にチェック&修繕することで、再びエンジンをかけた時、快調に運転できるようになります。
同様に、水星逆行期間中に、自分のコミュニケーションのありかたや考え方、作業手順などの癖をあらためて意識することで、逆行後は、この期間に気付いたことを活かし、人とのコミュニケーション、作業の進め方などを、望ましい方向に調整できるようになるでしょう。
(日頃は、半自動的・反射的に行っていて気付きにくかったことが、うまくいかなくなることで意識しやすくなりますよね^^)
コミュニケーションを司る水星逆行を経ることで、順行後は、悩んでいた対人関係から距離をおくようになる人もいるかもしれません。
また、水星の関心が外(他者)ではなく内に向かうので、自分自身の内面と対話を図る時期となります。
特別なことはないけれど、いつもよりどことなく静かな雰囲気で、自分自身のことに集中したい気分になる人もいるかもしれませんし、逆行とともに急に自分の考えが変わったり、思考が一段と深まったりする人もいるかもしれません。
これまで進んでいたことに対して、急に疑問を感じるようになったり、迷いが出てくることもありますが、焦って行動に移すのではなく、逆行期間にじっくり熟考することによって、順行に変わったのちに、迷うことなく行動に移すことができるでしょう。
逆行は、一度通ってきたコース(獣帯)を再び戻っていくので、過去を振り返り、「やり直す」時期でもあります。
最近、ご無沙汰の友人・知人に連絡して、旧交を温めたり、中断したままになっていた勉強を再開したりするのも、水星逆行期間らしい過ごし方ですね。
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また、逆行が起きるサインによって、そのときの水星逆行の意味付けが変わってきます。逆行時、あるいは順行に変わるときの水星と他の惑星のアスペクトなども、その逆行が引き起こす実際のあるいは心理的現象を考えるうえでヒントになります。
占星術をご存知の方なら、自分のホロスコープのどのハウスで、どの惑星と重なる(あるいはアスペクトする)位置で逆行が起きたかも、自分にとっての今回の逆行のテーマを知る上で欠かせませんね。
いつもより、表面的には静かで停滞感を感じやすい時となるかもしれませんが、その分、自身の内面との豊かなコミュケーションが図れる水星逆行の時。
それぞれの皆様にとって、 絶好の精神的なメンテナンス&リカバリーの期間になることを願っております!
