世相を表す「流行語大賞」と木星
世相・流行と関係する木星
2019年も残すところわずかです。今年はどんな年だったか振り返るとき、世相を一言で表すものとして浸透しているのが「流行語大賞(ユーキャン新語・流行語大賞)」ですね。
西洋占星術で世相は、動きの遅い大惑星によって表されます。そのなかで流行(広がり)と関係する惑星は木星と海王星。特に木星は世相として表れやすい事象を司り、また、一年ごとにサイン(星座)を移動するため、年ごとの流行を考えるうえで外せない惑星です。
木星は、滞在するサイン(星座)に関することを発展させ(世の中に流行として広まりやすい )、木星とアスペクトする(角度をとる)大惑星は、その表れ方に影響を与えます。
そこで、流行語大賞をとったフレーズと、その年の木星のサイン・アスぺクトを比べてみると、これがまた、ぴたりと当てはまっていて、わかりやすく特徴が表れているのです。
(※)占星術家は年単位の世相を読むとき、木星だけでなく、他の大惑星を組み合わせ、そして、惑星が入るサインだけでなく、四季図(春分図)なども参照します。今回はベーシックな記事なので、木星のサインと大惑星とのアスペクトのみに注目しています。
射手座木星、2019年の流行語大賞は「ONE TEAM」
今年2019年は、ほぼ一年に渡って(2018年11月~2019年12月頭)射手座に木星がありました。射手座といえば、精神性を重視し、可能性を信じて新天地を目指しながら、前向きな情熱をもって向上し続けるサイン。そして、キーワードのひとつが、「海外」。
2019年の流行語大賞は「ONE TEAM」。
今年は、4年に一度行われるラグビーワールドカップが日本で開催され、たくさんの海外のラグビーファンも集まるなか、日本チームは列島中を熱狂させる快進撃で、決勝トーナメント進出を果たしました。
勝利の原動力となったのが、7ヶ国15人の海外出身の選手と日本人の選手が、心を一つに「ONE TEAM」として戦ったこと。
広く海外に目を向け、精神性を大切にしながら(心を一つに、また「ノーサイド」精神も注目されました)、自分たちの可能性を信じ、情熱をもって新天地へとジャンプする...まさに、射手座的ですね!
また、射手座の木星は、魚座にある海王星とサイン間でスクエア(90度)でした。
海王星も流行と関係するため、木星と海王星の組合せは、熱狂的なブームや大流行を引き起こしやすい組み合わせです。
スクエアなのでネガティブな要素も含みますが、木星が射手座にあったためか(=惑星が自ら支配するサインに入り惑星を強める)、ラグビー日本チームの快進撃や、改元・皇室関連の行事に伴う国民の熱狂など、明るく前向きなムードの熱狂が特徴だった気がします。
「ONE TEAM」とは、異質な背景をもつ人々が、「ひとつになる」こと。これは、まさに海王星のテーマ。海王星は、さまざまな立場の人や物事の障壁を溶かし、ひとつになる・つながる働きをする惑星です。トランスサタニアンの海王星は、木星よりもグローバルで、時代を超えた影響をもたらします。
まさに、射手座の木星+魚座海王星の年らしい流行語大賞...ですね。
まとめると、2019年は射手座に木星が入り、射手座のテーマである精神性や思想・哲学・宗教、海外、高等教育、法といった分野に関することに注目が集まりやすく、また、魚座の海王星とスクエアであったので、情熱や感情をあおるような(射手座は火、魚座は水なので)熱狂的なブームが起きやすい年でした。その流れのなかで、グローバルな視野、あるいは未来に向けて視野を広げながら、人々を妨げている障壁が崩れ始め、まだ流動的ながら新たな潮流が生まれてきつつある年となりました。
ラグビーだけでなく、新天皇陛下・皇后陛下への熱烈な歓迎ムードと、即位に伴い、日本人の精神性とも関わる皇室のありかた(未来)への議論が始まりつつあるのも、この年の木星の配置によく表れていると思います。
過去の流行語大賞をたどってみると
以下、過去の流行語大賞と木星の配置について、簡単にコメントしてみます。
(アスペクトは、サイン間で木星と大惑星でつくられる主なもの)
2018年
流行語大賞「そだねー」
木星のサイン:蠍座(2017年10月上旬~2018年11月上旬)
木星のアスペクト:蠍座の木星+魚座海王星トライン
蠍座は、他者と一体化することで限界を超えようとするサイン。冥王星を支配星にもつので究極の状況とも関連しますが、この年は魚座海王星がトラインとなるため、ふわっとしたゆるさも加わります。(蠍座も魚座も水のサインなので感情に訴えてくるような)
この年は平昌オリンピックイヤー。「そだねー」は、銅メダルを獲得したカーリングチームのおやつタイムの声。緊張感の高い場面でグループとして集中して戦いスペシャルな結果を出す(=蠍座)、その一方、仲間同士でほっこりする癒しの時間(=魚座海王星)もある...。
個人的には、トップテンに入った「スーパーボランティア」(究極の災害現場、スーパー=蠍座、ボランティアで人を救う=海王星)に大賞を挙げたいです。この出来事をきっかけに、若者が災害現場へとボランティアに赴くことが増えたのも、蠍座木星+魚座海王星トラインらしいですね。
セクハラ被害(蠍座)に対して、声をあげる風潮が世界的に広がる(海王星)「#Me Too」も、この年らしい流行語ですし、男女の垣根を超えたおっさん同士の純愛ドラマの「おっさんずラブ」も!?
2017年
流行語大賞「インスタ映え」「忖度」
木星のサイン:天秤座(2016年9月上旬~2017年10月上旬)
木星のアスペクト:天秤座の木星+牡羊座天王星+山羊座冥王星 Tスクエア
天秤座は、他者とのパートナーシップがテーマのサイン。調和を重視するため、一方的な自己主張は控え、他者との関係に配慮しながら行動します。
そして、その天秤座の木星に、プレッシャーをかけてくるのが、巨大な社会的権力と関係する山羊座の冥王星。
まさに「忖度」!
天秤座木星と山羊座冥王星は、ハード・アスペクトなので、ネガティブな意味合いの言葉が流行したのですね。天秤座は公正さを重視するサインなので、そういう状況に対する問題視という意味での流行かもしれません。
一方、「インスタ映え」も、とても天秤座らしいです。
天秤座は、美の星・金星を支配星にもち、他者の視線を意識しながら、美意識を表現するサイン。
その天秤座木星に、牡羊座天王星がオポジション。牡羊座天王星は、個性を強く打ちだすことで、独自の立場を築きます。
自らの個性を表現した華やかな写真でインスタを彩る「インスタ映え」。サイトの説明に「誰もがビジュアルを競い合う」とありましたが、ビジュアル=金星を支配星にもつ天秤座、(個性を表現して)競い合う=牡羊座天王星ですね。(また、オポジションも他者の視線を意識しやすいアスペクトですし)
まだまだ、「そうそう!」と膝を叩きたくなる流行語はたくさんありました^^。
ご興味のある方は、下記サイトで流行語大賞+トップテンと解説をご覧頂けますので、よろしければ木星の配置と比べてみてください。
2020年は、伝統や政治・社会システム、年長者などと関連する山羊座に、木星だけでなく、土星、冥王星がギュッと集まります。
特に木星と土星が重なるのは大きな時代の流れの節目(スタート)を表します。(ただし、正確に重なるのは次の水瓶座に入ってからですが)
来年はどんな年になるのか、どんな流行語が2020年の言葉として選ばれるか...
一年後に、またこうして振り返ってみるのが楽しみです。
