土星、甘いかしょっぱいか

2019年12月16日

 なんとなくノリでタイトルをつけてしまいましたが、土星という星は、甘い(=おいしい思いをさせてくれる)か、しょっぱいか(=シビアで気持ちetc.を引き締めてくれる)といったら、間違いなくしょっぱい星。
(※土星=しょっぱさを司る意味ではないです)

 現代の占星術では重視されなくなってきてはいますが、占星術の10の惑星は、その本来の性質が人間にどういった影響をもたらすかといった観点で、「吉星」「凶星」に分けられてきました。そして、土星は凶星の代表格です。

 なので、土星というと、やっぱり「こわい」と思われる方や、「来年、土星がやってくるので心配」とお話される方もおられるようです。


 でも、甘~いスイーツは、幸せな気分やゆったりした満足感をもたらしてくれるけれど、甘い物をとり過ぎると、肥満やへたをすれば病気の危険を招く可能性もありますよね。

 そして、「しょっぱい!」と思わず顔をしかめたくなる塩分は、人間が生きていくうえで必要不可欠なもの。けれども、足りなくてもとり過ぎても体にとっては害となります。

 
 それと同じように、占星術で用いる惑星も、すべての人(ホロスコープ)のなかにあって、人が社会で暮らしていくことを考えるうえで必要不可欠なもの。そして、その意味や機能を考えながら、日々の生活や人生の流れのなかで上手に付き合っていくことが、その人にとっての望ましい人生を送っていくカギになると思います。

 とはいえ、食べ物ならある程度は自分の手で選ぶことができますが、生まれ持った星の配置や、やってくる星の流れは選べない...なんて思われるかもしれません。

 でも、だからこそ、そこに「個性」や「時機(タイミング)」が生まれます

 10の惑星も、12の星座(サイン)も12のハウスも、すべての人が公平に共通して持っています。けれども、その配置が違い、その違いこそが他の人とは違う個性、その人なりの人生(星の活かし方)をうみだすのです。

 時の経過に伴う星の流れは、一見、自分の意思と無関係に思えても、不思議と、シンクロニシティとしか呼べないような意味が感じられます。まさにこのタイミングで、このテーマに取り組む必要があった…と思えるような、適切な時機にベルを鳴らしてくれるのです。

 ☆☆☆

 話戻って、土星です。

 天王星以遠の惑星が発見される前の時代、土星は、最も遠い惑星とみなされ、ゆっくりと時間をかけて、星々の間を動いていく様子から、老人や長期的な歩み(時間をかけて行うこと)と結び付けられました。

 また、惑星の公転軌道のもっとも外側にあるということは、外との区切り、外壁のようなものであり、終焉の位置でもあります。このイメージは、土星の重要なキーワードである「制限」と結びつきます。そのため、さまざまな形で行く手をさえぎる障害や、頭を抑えつけてくるような存在を象徴します。と同時に、「制限」とは、野放図に広がっていくものに一定の型を与えることによって、有用なシステムをつくりだす行為にもなります。 

 
 土星の神様はギリシャ神話ではクロノス。自分の地位を奪われることを恐れ、生まれてきた自分の子供たち(新しい可能性の象徴)を次々のみこんだクロノスは、まさに、土星の抑圧的な側面を象徴します。今でいうと、老害でしょうか?

 一方、ローマ神話ではサートゥルヌス。こちらは農耕を司る神様です。農耕は、季節の移り変わりに応じ、土地を耕し地道に種から育て収穫にいたるまでの労働作業です。実際に体を動かし、忍耐強く取り組む農作業は、最終的に確かな実りへとつながることになります。

 

 つまり、土星がホロスコープで強く働く時機は、「具体的な収穫をあげるための努力のとき」であり、「漠然と描いてきた可能性を現実的な形にするとき」。そして、それらを通して、「人生(少なくともその後何年もに渡る年月)の基盤が固まるとき」です。

 責任や義務や、大変さ(仕事の忙しさなど)も伴いますが、それに見合う努力の成果は後々表れますし、年齢を経るほど、この土星のありがたみは痛感できるはずです。

 具体的なことだけでなく、社会のなかで生きる人間としての成熟や、心理的な変化(安定感)をもたらしてくれる時機にもなるでしょう。実際にお客様のお話をうかがっていても、土星が過ぎたあとに、しみじみと「人生とはこういうものだったのかと初めて実感できた」「漠然とした不安感などが消えて、とても落ち着いた、安定した」とおっしゃる方も...。

 また、土星はスリムダウンの星でもあります。冬(土星が支配する山羊座・水瓶座の季節)に、地上の植物が枯れたり葉を落としたりするのは、厳しい季節を生き抜き、新たな春の芽吹きのときに備えるためです。同様に、土星が強く働くときは、無駄なものは減らし、もっとも必要なことに集中することで、実力を磨き蓄え、その後の発展の礎となるしっかりとした基盤を築くことになるでしょう。


 さてさて、目前に迫った来年2020年。土星は、自分が支配する山羊座にあり、その長所を発揮しやすいだけでなく、大惑星である冥王星・木星が土星近くにギュッと集まり、大きな変革のパワーを放ちます。3月から6月にかけて土星は一時的に山羊座を抜けますが、この12月(すでに木星も山羊座にあります)から3月中旬まで、そして7月以降は、「現実的な変革や、地固め(=新たな出発のための)」が行われる絶好のタイミング

 緊張感もありますが、非常にパワフルな配置なので、このビッグウェーブを乗りこなしていきたいものですね^^

 具体的にどのような形で、どのような分野で表れやすいか、どういったテーマに直面しやすいかといったことは、おひとりおひとりのホロスコープによって変わってきます。

 どうすればよいか迷われたとき、あるいは今後を考えるうえで星の流れを知りたいときは、天音のセッションをご検討いただければと思います。


ラクウショウ or メタセコイアの色づいた樹木が、青空に映える季節がやってきました(11月末撮影)

見事に色づいた右の樹木は、葉陰の実を目当てにたくさんの鳥が集まり飛び立っていました。

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